今月の暦と季節のめぐり

立夏は、二十四節気の第7番目にあたります。
例年、5月5日頃から約2週間がその期間です。
暦のうえでは「夏のはじまり」。
木々は若葉をまとい、草花は勢いを増し、
大地も空も、どこか「次の季節」を準備しているように感じられる時期です。
そして今月のテーマは── 「風の予祝」。
◆ 予祝(よしゅく)とは?
予祝とは、日本に古くから伝わる“前祝い”の風習。
たとえば、秋の豊作を願って、春に歌い踊り、喜び合う――
「まるで、もう叶ったかのように先に祝っておく」ことで、
その願いを引き寄せる、いわばポジティブな予言のような儀式です。
風が吹き始めるこの季節。
未来に向かうエネルギーを、風に乗せて、あらかじめ祝ってみましょう。
たとえば……
夏に叶えたいことを、もう叶ったように話してみる
新緑の風に「ありがとう」と言って願いを放つ
菖蒲湯で邪気を祓い、晴れやかに笑う
そんな軽やかな予祝が、この季節の「運」と調和していきます。
◆ 七十二候のうつろい
5月の代表的な七十二候(季節を3~5日ごとに分けたもの)には:
蛙始鳴(かわずはじめてなく)(5/5頃)
冬眠から覚めたカエルが、合唱を始めます
蚯蚓出(みみずいずる)(5/10頃)
土の中の生き物も活動開始。大地の目覚め
竹笋生(たけのこしょうず)(5/15頃)
たけのこが一気に成長、命の勢いを感じる時期
紅花栄(べにばなさかう)(5/25頃)
紅花が咲き、初夏の彩りが豊かになる
この頃、自然界は「動」「発」「開」に満ちています。
季節は、もう後戻りしません。
◆ 今月の運の流れ:陽が広がる「火」の季節へ
陰から陽へ──春の揺らぎから、初夏の確かな明るさへ。
陰陽五行では「火」の気が顔を出し始め、
感情・意志・行動のすべてに勢いがつく時期です。
ためていたものを外に出す(行動/言葉/作品/想い)
新しい流れに“乗る”ことでチャンスが巡ってくる
迷うより動く。止まるより軽やかに風に乗る
この時期のキーワードは「循環」と「発散」。
風にのって、あなたの願いや思いを、
もう叶ったつもりで「予祝」してみてください。
◆ 暮らしの知恵と季節の手当て
旬の食材
新玉ねぎ・そら豆・スナップえんどう・アスパラ
鰹(かつお)・初鰹のたたき、梅の実もちらほら
山菜(たらの芽・こごみ・わらび)もまだ名残あり
からだのケア(薬膳の知恵)
火の気が強まり、体の熱がこもりやすくなる季節
はと麦茶・緑豆・セロリなど、余分な熱をさますものを
目・肝・心臓のケアを意識(緊張感やストレスの予防に)
行事と風習
端午の節句(5月5日)── 菖蒲湯に入って邪気祓い
八十八夜(5月初旬)── 新茶の季節。香りをいただくことで心身のリセットに
田植え準備、祭りの囃子、風鈴の音……音や香りの魔法が活きる時期