
♦ 四 柱
命式には、年柱・月柱・日柱・時柱というものがあります。
年柱は先祖から受け継いでいることや、使命が表れています。人生にあてはめると生まれてから29歳くらいまでを指します。
月柱は社会的なこと、仕事などが表れています。人生にあてはめると30歳~59歳となります。仕事を覚えて中堅として活躍し始め、昔は定年が60歳だったのでだいたいそんな時期にあたりといえます。
日柱は自分です。プライベートなこと、自分自身を表しています。人生にあてはめると60歳~79歳くらい。
時柱は子供・子孫を表しています。人生にあてはめると晩年です。80歳~死ぬまで。
鑑定で一番重要視されるのが、日柱の干「日干」。
まずは、それを読み解いていきましょう。
♦ 五行と十干
2025年の干支は「乙巳(きのとみ)」です。乙が干で巳が支。干は10個あって十干といい、支は12個あって十二支です。
十干は、五行「木・火・土・金・水」から構成され、それぞれ陰と陽があります。
五行説は大昔の中国で生まれた自然思想で、陰陽説と融合した「陰陽五行説」が有名で、政治や天文、歴史など、広い分野に影響を与えてきました。
陰陽説の概念は紀元前6世紀頃には確立していたと言われています。陰陽の性質の捉え方はまた・・・
五行説では木・火・土・金・水(もく・か・ど・ごん・すい)の性質に注目し、同じ性質のもの同士や、異なる性質のもの同士の関係を解釈していきます。
まずは、基本となる本質を把握しておきます。
木
木は甲(きのえ)と乙(きのと)。甲が陽で乙が陰となります。植物、生命を宿すもの。
季節:春
方位:東
カラー:青・緑
1日の時間帯:朝
五常:仁(相手を想う気持ちを養う)
火
火は丙(ひのえ)と丁(ひのと)。丙が陽で丁が陰となります。炎、熱いもの、光り輝くもの。
季節:夏
方位:南
カラー:赤
1日の時間帯:昼
五常:礼(礼儀・礼節をわきまえる)
土
土は戊(つちのえ)と己(つちのと)。戊が陽で己が陰となります。大地、地球。
季節:季節の変わり目にあたる土用の期間
方位:中央
カラー:黄
1日の時間帯:午後
五常:信(誠実さを育む)
金
金は庚(かのえ)と辛(かのと)。庚が陽で辛が陰となります。鉱物、石、硬いもの。
季節:秋
方位:西
カラー:白
1日の時間帯:夕方
五常:義(善悪を区別する)
水
水は壬(みずのえ)と癸(みずのと)。壬が陽で癸が陰となります。水、流れるもの、生命の源。
季節:冬
方位:北
カラー:黒
1日の時間帯:夜
五常:智(聡明さを育む)
日柱にある干(日干)がその人そのものを指します。基本的な性格やコアな本質、自分がこの人生で何をすると決めて生まれてきたのかなどということがわかります。
環境でも変わらないもので、「種」をイメージするといいです。ヒマワリの種はヒマワリにしかならない。アサガオの種はアサガオにしかならない・・・・・。それが日干。
♦ 日干が表す本質
黒色は講座で教えられる各干の本質です。青色は今まで出会った人たちと本質に照合して、こういうことなのかも、と、個人的に感じたことです。
★ 甲(きのえ)=大樹
曲がったことが嫌い・着実にまっすぐ成長する・人に使われるよりも人を使う立場で活かされる
大樹は小鳥や小動物が身を寄せ、雨風から守ってくれます。そういうイメージなので責任感が強く、人のために力を使うことで使命が全うされると考えます。
★ 乙(きのと)=草花
柔らかいけれどたくましい・すくすくと成長できる環境選びがポイント・仲間と共に進む
しなやかな草は風に吹かれたら揺れて撓むことで折れずにすみます。コンクリートの割れ目から一本だけすっくと生えている花も時々ありますが、それよりは、草原でたくさんの草花が繁茂するイメージとなります。「柔軟」「臨機応変」に対応できると物事がうまく運びます。
★ 丙(ひのえ)=太陽
明るく裏表がない・いつもニコニコするために精神を鍛えるのがポイント・賑やかなのが好き
太陽のイメージです。地球上の生命に欠かすことのできないもので、エネルギーや温かさを周りに与えますが、時にそれが強すぎれば全てを焼き尽くします。周りにエネルギーを与えるために自分のエネルギーを使うこと、また、放出するエネルギーのコントロールをする精神が必要になるという考え方になります。
★ 丁(ひのと)=月・ともし火
控えめで温厚・月の満ち欠けのように相手に合わせることができる・怒らせると怖い!
陽の太陽に対し、陰の月というイメージ。大きく燃え盛る炎ではなく、ランタンやろうそくの灯り。怒らせると怖いというのは、小さな火でもガソリンを注いだり、カーテンにい燃え移れば大火事にもなり得るということ。
★ 戊(つちのえ)=山
人を惹きつける魅力を持っている・自分磨きを怠らないこと・どんと構える
山や大地のイメージ。山岳信仰があるように、どこか崇拝される反面、近寄りがたい雰囲気を醸し出しているかもしれません。しかし、憧れる対象であり、存在だけで周囲の人に勇気を与える魅力を持っているのも戊の人です。
★ 己(つちのと)=田畑
温厚でおっとり・教えること育てることが得意・養分の豊富な田畑になれるよう学びで知識を蓄える
田畑はたくさんの野菜や草花を育みます。より美味しい野菜、元気な野菜、美しい花を咲かせるためには、自分自身も栄養分豊富である必要があります。勉学だけではなくスポーツや医療でも。自分を鍛え、人々を育てることでよい人生を送ることができます。
★ 庚(かのえ)=鉄・刀
新しいものにも順応できる・信念を曲げない強さがある・謙虚さを忘れないことと挑戦することが大事
言葉に絹を着せることができない、あるいは意識していなくても「冷たい」とか「きつい」言葉で人を傷つけやすいので、自分が正しいと思ったことでも、一旦、止まるといいかもしれません。人にも厳しい分自分にも厳しいので、自分を許せずに辛くなることも。「許してみる」気持ちを持つと生きやすくなります。
★ 辛(かのと)=宝石
生まれながらに大切にされる存在・繊細な感性・自分を磨き上げること・試練に立ち向かう強さ
金の干の人はきれいな人が多い気がします。自分を磨くことを忘れないためでしょうか。陰なので庚ほど強さは強調されませんが、庚と同様に「愛嬌」「柔軟」などを意識すると生きやすくなります。でも、それができないこともまた、生まれ持った性質なのですけど。
★ 壬(みずのえ)=海
包容力がある・チャレンジ精神に溢れダイナミック・細かいことは気にせずおっとりと構えること
生命は海から生まれました。凪もあれば嵐で大荒れの時もあります。しかし、それは海のせいではないのです。細かいことを気にしていくと、せっかくのいい性質が生かされなくなるので、注意です。
★ 癸(みずのと)=雨
まわりに潤いと癒しを与える存在・勉強が大好きで知識が豊富・二面性のギャップも魅力
丙の灯も、ガソリンを注げば大火になるように、雨も線状降水帯となって降り続くと、大地を破壊します。視野を広く持ち、強い執着を手放すと、人生がうまく回ることが多いようです。
♦ 日干を読む
十干の持つ本質を上記にまとめました。自分の日干は何でしたか?
サンプルでは日干は「甲」です。大木・大樹のような本質を持ち、そのように生きると生きやすくなります。
甲の人が、規律の厳しい縦の社会で生きていくのはとても辛いはずなんです。ただ、下積みを耐えることができ、上に立てる時にはよい上官になれる素質があります。
もっと詳しい日干の読み解きと日干は簡単な相性にも使うことができるので、そんな話を「サロン」で行います。