7月/熱のたまゆら

今月の暦と季節のめぐり

小暑からはじまる、7月の歳時記と運の流れ。

7月は、二十四節気の第11番目「小暑(しょうしょ)」から始まります。
例年、7月6日頃から約2週間がその期間で、梅雨が明け、夏本番に向かう兆しが見え始めるころです。
空はまだ不安定な雲をまといながらも、気温はじわじわと上がり、
空気の中に熱と湿気が入り混じる独特の重たさが出てきます。

その少し前、7月1日頃に迎えるのが「半夏生(はんげしょう)」です。
これは七十二候や雑節のひとつで、田植えを終える目安とされ、この日を境に「夏の折り返し」が訪れると考えられてきました。

植物の半夏生が、葉を白く染めて静かに咲くように、わたしたちもまた、この時期には一度立ち止まり、心と体のバランスを整える時間を持ちたいものです。


空気に湿り気が残るなか、空はすこしずつ熱を帯び、
地面の下では、根を張ったものたちが静かに目を覚まし始めます。

七夕を迎えるこの月は、願いが空に浮かぶ一方で、
足元では、日々の暮らしと向き合う時間が続いていきます。

ゆっくりと、けれど確かに巡る季節の中で、
わたしたちもまた、心の奥に熱をためながら、
次の一歩を整えていきましょう。

7月は、「熱のたまゆら」。
目には見えないけれど、動き出す前の気配が満ちています。

◆ 七十二候の移ろい(7月)

小暑(しょうしょ) ( 7/6頃〜10頃)
 温風至(あつかぜいたる)・・・ 暖かい風が吹き始める


小暑(中) ( 7/11頃〜15頃)
 蓮始開(はすはじめてひらく) ・・・蓮の花が咲き始める


小暑(末)(7/16頃〜20頃)
  鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす) ・・・鷹の雛が飛ぶための訓練を始める


大暑(たいしょ) (7/21頃〜25頃)
 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ) ・・・桐の花が実を結び始める


大暑(中) (7/26頃〜31頃)
 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし) 土が湿って蒸し暑くなる

◆ 暮らしのヒント

からだの整え

梅雨から夏への変化で、自律神経が乱れがち。朝にぬるめの白湯を一杯、胃腸をゆっくり起こして。

湿気と暑さ対策には、はとむぎ茶、紫蘇ジュース、冬瓜や苦瓜などの涼をとり入れる。

「半夏厚朴湯」の出番。気がふさぐ・食欲が出ないなどの気鬱には、漢方でもこの時期に使われるブレンドが役立ちます。

暮らしの知恵

夏越しのお守りを、家の中に
6月末に行った「夏越の祓」の茅の輪のお守りは、7月も引き続き飾って清めの気を保ちましょう。

風鈴や水音で涼を呼ぶ
五感を通じた納涼。昔ながらの工夫が、実は気持ちの切り替えにもとても効果的です。

運のめぐりと願いごと

開運キーワード:整う・手放す・迎える
7月は「準備と切り替え」の月。春夏に積み重ねてきたことの結果がじわじわ現れる一方、旧暦では「秋」の気配が近づく始まりの月でもあります。

願いをひとつに絞る「ひとつ星祈願」
七夕(旧暦では8月)に先がけ、今月は「たった一つの願い」を明確にしてみて。紙に書いてお守りにしたり、星空に向かって唱えたり。

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